死に物狂い

他人から影響を受けやすい人間のフィクション日記

肖像権使用同意書という書類

 世の中には「肖像権使用同意書」と呼ばれる書類があるらしい。らしいというかあった。職務上で取り扱う機会があった。このワードで検索するとたくさん出てくるし、テンプレを公開しているサイトもあったので、一般的名称として一定の地位を得ているように思われる。

 しかし、「肖像権使用同意書」との名称を聞いた時、違和感を覚えた。肖像権って使うものなんだろうか。許諾を与える類のものなんだろうか。

 古本の匂いが漂い始めた初宿先生の基本書を開くと、肖像権とは「人がその承諾がないのに自己の写真を撮影されたり世間に公表されない権利」であり、「私人が私生活に他から干渉されず、本質的に私的な出来事についてその承諾なしに公表されることから保護される権利」と書いてある。これを読む分には、肖像権とはあくまでも侵害されないという消極的権利であって、自ら積極的に行使していく類のものではない。だから他者に使用を許諾するかのごとき表題はおかしいのではないかと思う。

 ただ、もしかすると、「(他者に対して)肖像権(を)使用(しないことについて)同意(する)書」という話なのかもしれない。同意事項に挙げられているのは、

・ホームページ等へ写真や動画を掲載することに同意する

・本人または第三者はは上記に対し異議を発しない

といったものなので、本質的には「著作者人格権は行使しません」という契約条項と同じなんだろう。

 色々考えると、「肖像の利用に関する同意書」ぐらいにしたほうが分かりやすいのではないかと思うが、そもそも表題なのでこだわる部分でもないと言われれば返す言葉もない。